日曜日。
600m+400m+200m 4セット。
石川練でスピード練習をした。
最近Sチームの人数が増え、15人ほどになったので2グループに分けることになった。
仕切るのはゴリさん。
関東出身で私と同い年。
学生時代には陸上部だった。
私が彼をゴリさんと呼ぶ理由は単純である。
マラソンシーズン中にアキレス腱を肉離れしたのに、テーピングを巻き続けて練習していたからだ。
私の頭の中では勝手にこう変換されている。
「ガッチリ固めてくれ」
「もう歩けなくなってもいい」
「もう走れなくなってもいい」
「今週末だけもってくれ」
完全にアカギキャプテンである。
そんなゴリさんを先頭に、サカイくんやドレイクくん達と一緒に走った。
みんな相変わらず速い。
400mは70秒設定だった気がするが、平気で67秒くらいになる。
何とか食らいついたものの、最後は若者にやられた。
9年前のブログを読み返すと、この時期の私は400mのラストを62秒で走っていた。
やはり年は取る。
それでも走り終えた後、ゴリさんと話していて面白いことに気付いた。
我々熟練の弱点は何だろう。
恐らく、
「好きな練習を選びに行くこと」
なのだと思う。
その瞬間、自分の胸にも刃が刺さった。
学生時代の私は30km走が好きだった。
長い距離は得意だったし、ペースメークも得意だった。
だからチーム練習がない時に勝手に30km走をやったりしていた。
当時は意識が高いと思っていた。
今思えば違う。
私は強くなるために走っていたのではない。
好きなことをしていただけだった。
本当に必要だったのはスピード練習だった。
400mを走れば欠点が全部見える。
フォーム。
接地。
ごまかしが効かない。
だから私は逃げていた。
30km走という居心地の良い場所へ。
幽遊白書の魔界編で飛影が時雨と戦った時のことを思い出す。
飛影には魔界の黒い炎
黒龍波があった。
撃てば大抵の相手には勝てる。
だが最後はその力だけに頼ることを選ばなかった。
剣士として決着をつけようとした。
得意技の中に住み続けるのではなく、その外へ出ようとした
考えてみれば、私の30km走も黒龍波だった。
撃てばそれなりに練習会で戦える。
周囲からも評価される。
だから何度も撃つ。
だが本当に向き合うべき相手は、いつも苦手な400mの方にいた。
そしてもう一人、思い出す人物がいる。
ハンターハンターのネテロ会長だ。
感謝の正拳突き。
最初は強くなるための修行だったはずだ。
だが続けるうちに、強くなることと正拳突きをすることが一つになった。
ジョグが競技力へ昇華した。
目的と手段が融合したのである。
あの境地は美しいが怖くもある。
何のために走っているのか。
なぜ強くなりたいのか。
練習することそのものが目的になっている
ゴリさんが冬にテーピングするのを見ながらそんなことを考えた。
だが私も同じだった。
ゴリさんはアキレス腱にテーピングを巻いて30キロ走る。
私も自分の得意分野によく逃げて走っていた。
ウルトラマラソンだかフルマラソンだか。
もっと向き合うべきものがたくさんあるはずである
練習会あけのお昼
今日も1歳の娘が
「おっぱいどーこ?」
の絵本を持ってきた。
母犬のおっぱいに子犬が群がるだけの内容である。
もう20回は読んだ。
強くなるために始めた正拳突きが、いつしか正拳突きそのものになるように、
娘は今日も私に絵本を読ませる。
このままひたすら続ければ、
私からもそろそろ母乳が出る。。。はずだ

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